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しかし現実にはホームページなど企業情報のデジタル化やデータベース化によって
企業間関係が一見フラットになったかに見えるのは実は「錯覚」であるといって良い。

実際には下記のような構造になっており、情報化やホームページ化が進んでも
実際の企業間関係のありようが大幅に変わったわけではない。
最近はなんらかの「文脈」で固まった、「クラスターの集合体」とみる向きもある。
インターネットやホームページによってこれまで出合うことやお互いに
つながらなかった企業同志が知り合うことが可能になったことは事実であり、
インターネットが可能にした重要な点ではある。
しかし、実際に多く見られる状況は自分自身で遠方や新たな企業との関係において
評価や信頼を作り出し実際の取引きにつなげていくことができる
力を持った企業同志や、コア技術を自覚し、高め、自分自身をアピールし、
コミュニケーションを行いながら信頼や評価を創っていくことができる企業同志、
が、主にこの図の黄色と緑色の部分において個々に継続的に連携している状況である。

地域のなかで共生していた企業が企業間の信頼と評価を作り出しながら
地域外の企業と結びつくことは実はそう簡単な課題ではない。

尚、上記の産業集積地域で括られている部分は実際は
異業種交流グループや企業の協力会や業界のグループなども含む。

実際はこれらの産業集積や企業間関係が日本のものづくりにおいて
重要な役割をはたしている。

特に地域産業集積のなかではこの図の緑色の企業群と青色の企業群は
それぞれ共生関係にある。
また黄色と緑色のなかでも共生関係は見られる。

黄色から緑色、青色への一連の人と物とお金の流れの構造を
その部分だけ切り取ってみるとピラミッドのような構造になっているが
重要なのは、最近はこれらのピラミッドのなかに
異なる「文脈」が現れつつあるということだ。

一つは既存の資源の自滅的な分配の関係や一方的なWIN・LOSTの文脈であり
一つは正しい競争のありようと新たな価値創造や共生やWIN・WINの文脈である。

地域や企業グループのなかに正しい競争と価値創造、共生の文脈をもっている場合
そのグループは非常に強い競争力をもつことになることが最近明らかになってきて
いる。
日本の地域産業集積が結果的に非常に強い国際競争力を保ってきたのもこれらの
クラスターのなかで比較的オープンな技術進化を素早く遂げてきたからに
ほかならない。
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